あだぷてぃぶあれー

memn0ckさんのところ経由で、AIR-internet-EDGEさんのアダプティブアレイについてというエントリが興味深かったので書いてみる。「アダプティブアレイは指向性を変えてるのじゃないよ」って話。
アダプティブアレイの「アダブティブ」は(伝搬状態に)適応させるってことで、無線屋さんのいうアダプティブとつくものは、だいたい対干渉とか対フェージング技術に属する(と思う)。
つまり、現在の伝搬路の状態を測定して、それに見合うように「何か」を変えるというのがアダプティブ。適応変調なら変調の仕方を変えるし、適応等化なら受信波形をいじる。
アダプティブアレーで変えるのは、各エレメントの重みづけの係数。各アンテナからの合成の比率を変えることで希望波を強めたり、干渉波を弱めたりできる。
係数を決定するには、現在の状態を知る必要があるので、アダプティブアレイは測定→評価→信号の合成の系を含むシステムになる。
例えば、位相差給電で指向特性を形成するフェイズドアレイとかとアダプティブアレイの一番の違いは、アンテナか(アンテナを含む)システムかというところだろう。
「指向性が変わる」というところに目が行くとアンテナが主に思いがちだけど、実は合成している部分が主、アンテナは従ってことなんだろう。