SC-FDMAってなによ

LTEとかで使われる上り用の変調方式。シングルキャリアである。
シングルキャリアって何だよ?普通に変調かけてるんじゃないのかよ?と疑問であったのだが、資料をじっくり読むとイメージがなんとなくつかめてきた。
まずOFDMの話。マルチキャリアで間隔を目いっぱいつめたのがOFDM・・・ではあるのだが、キモはそこではない。
従来は高速の信号で変調すると帯域が広がってしまい、その広さゆえに帯域内での伝搬特性のムラの影響を受けやすかった。
OFDMは高速の信号を並列に並べ替え、マルチキャリアにそれぞれ載せた。これにより周波数依存する伝搬特性の影響は受けにくくなるとともに、各キャリアの帯域は狭く=シンボル速度が遅くなることにより、遅延波の影響も受けにくくなった。
ただデメリットはある。雑音状のスペクトラムになるため、直線性の良いアンプが必要になる=効率が悪くなること、基本的に多重方式なので、下り回線には向いているが上り回線はどうなのか・・・というところだ。
そこでSC-FDMAである。OFDMではキャリア本数・シンボル周期を縦横にとった表のようなものが伝送時のイメージとして出てくるが、SC-FDMAはこの表を利用する。

  • シングルキャリアである。
  • 帯域幅は、OFDMのキャリア幅の倍数になる。
  • 時間的な幅は、OFDMのシンボル周期と同じである。CP(ガードインターバル)も同様に入れる

つまり、OFDMの表中の隣り合う複数キャリアをつなげて占有するイメージである。別のSC波と隣り合ってもきちんと表内に収まるようにする。
ただし、あくまでもシングルキャリアなので、シンボル周期は1/Nとなる。N倍の帯域幅を取って、そこにN個のシンボルが直列に並ぶことになる。
OFDMの場合は、各シンボルに対してCPを入れるので遅延波はきちんと除去できるが、SC-FDMAはN個のシンボルのうしろに付けるので、効果はまったく同じにはならない。
これではSC-FDMAはOFDMの劣化版にしか見えないが、上りの場合は送信機器の制約が大きいので、伝送効率よりもシングルキャリアをとるということなのだろう。
・・・・さて、これで理解はあってるのだろうか?
資料(pdf)