たまには技術ネタでも

地下鉄のトンネルで携帯電話やPHSを使える日は来るのかを各社に聞いた - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20071118_mobile_subway/
まあさ、ユーザーはどこでも携帯を使えるようにして欲しいと思っているんだよね。今週聞いたのは、「旅館に下見に来て、携帯が使えないからとキャンセルすることがある」って話だった。
話を戻して、トンネルで携帯が使えるようにする対策方式は主に二つある。

  • 入口付近から指向性アンテナでトンネル内に電波を吹き込む方式
  • トンネル内にアンテナを複数設置する方式

あとは漏洩同軸を使うなんてのもあるはずだが、GHz帯だとロスが半端じゃないので、長距離向けでない。
吹き込み式は、高速道路の山間部のトンネルでよく見かける。入口の近所に呉越同舟的にアンテナのたくさんついたポールが建ってたりするのがそれ。そんな露骨でなくても、入口が見通せる位置に基地局を作るパターンもあり。

トンネルの中は比較的減衰しにくいので、まずまずの効果があるらしい。とはいえ、曲がりくねっていたりそれなりの距離がある場合は対応しきれないので、次の選択肢が出てくる。
アンテナを複数設置する方式は、親装置と子装置を置いて途中区間を光ケーブル伝送する方式が主流。
子装置の出力は制約があるので、数十〜百m間隔でアンテナを置く。

鉄道トンネルの場合、道路トンネルと比べ断面に余裕がない。チューブの中を金属の棒が通り抜けるようなものなので、必要な電界強度は道路トンネルより高くなると思われるし、トンネル内にアンテナを設置する場合の制約は厳しくなる。
新幹線の不感地対策は進んでいるが、あれは広軌複線断面なのでトンネル内の余裕はかなりあるはずで、古い地下鉄のトンネルでの設置条件は数段厳しくなるだろう。

と、ここまでは技術的な話。
現実に地下鉄を対策しようとすると各社相乗りになるはずなので、トンネル協会(道路トンネル情報通信基盤整備協会)というのが出てくる。名古屋市が地下鉄のホームで携帯使うなとごねた時に名前が出てきたアレだ。
ニーズは新幹線以上にあるはずだが、スペースの制約などから、1社が抜け駆けするようなことはできないだろう。
技術的な制約はあるにせよ、各社が積極的に動かないのはかなり「政治的」な要素があるんじゃないかとにらんでいる。
PHSはいまやwillcomしかないし、トンネル協会と関係ないので別の話。比較的前向きなのはそのへんが理由かも)
#ううむ、技術ネタのはずが「だろう」ばっかのヨタ記事だね、こりゃ。